ネグラモル / Negramoll
- [ブドウ品種]ネグラモル / Negramoll
- [ボデガ名]ボデガス・ビクトリア・トーレス/Bodegas Victoria Torres
- [収穫年]2018
- [生産地]D.O. ラ・パルマ島 / D.O. La Palma
ラ・パルマ島で50年ぶりの大噴火
イベリア半島から遠く離れた 北アフリカ洋上に浮かぶスペイン カナリア諸島。7つの島々の最西端にあるラ・パルマ島は、島の3分の2がユネスコにより生物圏保護区に指定されている景勝地です。空気が澄み、世界一の天体観測地としても知られているこの島がいま大変!
島の中央から南にかけて広がる 山脈と活火山からなる自然公園クンブレ・ビエハ(The Cumbre Vieja)に、50年ぶりの大噴火が起きています(現在進行形)。幸い人的被害は出ていませんが、建物や畑に大変な被害が発生。今年は8月の熱波でブドウの樹がストレスを受けたのに続き、871haのブドウ畑のうち60haが火山灰と溶岩流の影響を受けています。
宝の畑で代々続くボデガス・ビクトリア・トーレス
ラ・パルマ島南部に、1885 年からブドウ栽培、ワイン造りを続けるワイン生産者ボデガス・ビクトリア・トーレス・ペシス(Bodegas Victoria Torres)があります。島に約20社ある生産者で最も小規模なボデガで、現在のオーナーは5代目に当たるビクトリア女史。2010 年から父の教えのもと本格的にワイン造りを始めましたが、父亡き後はほぼ一人ですべての仕事をこなしています。ビクトリアにとって、受け継がれた畑は宝物。自然を慈しみながら、持ち前の優しさ、細やかさ、誠実さ、真摯さ、芯の強さで、素晴らしいワインを作り出しています。
フィロキセラも無縁な自根のブドウ樹
標高300〜1400mに位置する点在する畑は、風化した火山灰が表土をおおう痩せた土壌。島にはフィロキセラが到達しなかったため、ブドウの樹はピエ・フランコ(自根)で、樹齢が古いのも特徴的です。畑での収量を抑え(約 4,000 kg/ha)、島の主要品種リスタン・ブランコ、ネグラモル、アルビーリョ・クリオリョ、マルバシア・アロマティカ、ビハリエゴなどの品種を栽培しています。畑で使う農薬は最低限の硫黄撒布だけで、イラクサを煎じた希釈水などで地力をあげるビオディナミ農法を採用。自然をリスペクトした栽培を実践しています。
人為的介入を抑え自然に委ねる島ワイン
この赤ワインに使われるブドウは平均樹齢50年(自根)のネグラモル種。果皮が薄くタンニンが穏やか、スモモやカシスなどの赤い果実の風味の特徴があり、大西洋の冷涼さと温かさの両方を感じ取れます。
ビクトリアのお爺さんが建てた醸造所では、半分を古代ローマ人が考案した「ラガール」という木製の大桶にブドウを全房入れて足で踏んで発酵。残り半分は長年使われてきた栗の木桶とステンレスで発酵。これをアメリカとフレンチの古樽で寝かせます。醸造時も野生酵母を使用し、人の手はほとんど入れず、特別な温度管理もせず、フィルタリングもしません。
世界No.1になったミシュラン3つ星レストラン カン・ロカの有名ソムリエも秘蔵ワインとして彼女のワインを扱うなど、国内外でラ・パルマの存在感がキラ星のごとく輝き始めています。
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